首・肩の主な疾患

頸椎捻挫(むち打ち)

首・肩のイメージ写真

頸椎捻挫は、自動車の追突事故や急停車、スポーツ時の不自然な外力などが原因となり、首の周辺を損傷してしまう疾患です。首がむちのようにしなることで生じるため、一般的には「むち打ち」と呼ばれます。首に強い違和感が起こり、日常生活に支障をきたしますが、しばらく安静を保つことで快方に向かうことが多いです。ただし、首の痛み以外にも、頭痛、手足のしびれ、倦怠感、めまいなどの症状を併発することが少なくありません。そのようなときは、整形外科を受診し、必要な検査を受けるようにしましょう。

頸椎症

頸椎の変形などが原因となり、当該部位の神経が刺激されてしまう疾患です。例えば、首の骨の間にある椎間板がすり減ると、骨棘と呼ばれる骨のとげが作られます。その結果、首の辺りに痛みが起こります。中高年の方の中には、首の痛みや肩こりで悩んでおられる方がたくさんいらっしゃいます。こうした患者様を検査したところ、頚椎症だと分かったケースがよくあります。

なお、頚椎症の初期段階ならば、首のあたりに若干の違和感を覚える程度です。しかし、放置していると、どんどん頚椎の変形などが進行します。首周囲の違和感や痛みが強まっていき、さらに身体の様々な部位に異変が生じます。全身の脱力感、疲労感、手指の感覚の消失、指などのこわばり、めまい、筋肉の萎縮、発汗異常、排尿・排便障害などが起こることもあります。初期の段階ならば薬物療法やリハビリで対応できますが、病状が進行すると手術が必要になります。

肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)

肩の関節を構成する骨や軟骨、靱帯、腱などの周辺組織に炎症が起きてしまう疾患のひとつです。中高齢の方にみられることが多いため、一般的には「四十肩」、「五十肩」と呼ばれます。肩関節周囲炎になると、肩に痛みが出ます。肩に負荷をかけたときだけでなく、腕を動かさずにじっとしているとき、夜間寝ているときなどにも痛みが出ることがあります。肩関節を思い通りに動かせなくなるので、高い場所にあるものが取れない、服の着脱がつらくなる、背中のファスナーを閉められない、洗濯物が干せないなど、日常生活にも影響が出ます。

患者様にもよりますが、発症した当初には強い痛みがあります。しかし、数日~1週間程度で痛みは落ち着いてきます。ただし、早期の段階から薬物療法やリハビリテーションを行い、肩関節が癒着しないように注意しておかないと、肩関節周囲炎が治まった後にも肩が動かしにくくなります。

肩腱板損傷

肩関節の奥にある棘上筋や棘下筋、肩甲下筋、小円筋が損傷してしまう疾患です。これに伴い、肩に痛みが出たり、動きに障害が出たりします。階段などで転倒したとき、重たい荷物を持ったときなどに起こりやすいです。肩腱板を損傷すると、腕を上げるときに痛みが走る、肩が挙げられない、睡眠中に痛みが出て目が覚めるといった症状がみられます。治療に関していうと、基本となるのは薬物療法です。炎症や痛みを抑えるお薬を肩関節内に注射することにより、症状が治まります。患者様によっては三角巾などで患部を固定し、痛みが強まらないようにします。なお、薬物療法では痛みが治まらないときは、手術療法を検討します。